たくさん見たいから参考になるランキングを教えてほしいんだけど
このようなお悩みを解消します。
「キノベス!」は過去1年間に出版された新刊を対象に、紀伊國屋書店で働く全スタッフから公募した推薦コメントをもとに選考委員の投票でベスト30を決定する企画です。
今回は2022年にランクインした話題の書籍を紹介します。
第1位 同志少女よ、敵を撃て
独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。
自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために。
同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵”とは?
第2位 正欲
あってはならない感情なんて、この世にない。それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ。
息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づいた女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。
ある人物の事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり合う。
第3位 テスカトリポカ
メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、対立組織との抗争の果てにメキシコから逃走し、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会った。二人は新たな臓器ビジネスを実現させるため日本へと向かう。
川崎に生まれ育った天涯孤独の少年・土方コシモはバルミロと出会い、その才能を見出され、知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていく――。
人間は暴力から逃れられるのか。心臓密売人の恐怖がやってくる。誰も見たことのない、圧倒的な悪夢と祝祭が、幕を開ける。
第4位 スモールワールズ
最終話に仕掛けられた一話目への伏線。
気付いた瞬間、心を揺さぶる、鳥肌モノの衝撃が襲う。
第5位 夜が明ける
思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。
まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。
どれだけ傷ついても、夜が深くても、必ず明日はやってくる。
第6位 常識のない喫茶店
「働いている人が嫌な気持ちになる人はお客様ではない」――そんな理念が、この店を、わたしを守ってくれた。
失礼な客は容赦なく「出禁」。女性店員になめた態度をとる客には「塩対応」。セクハラ、モラハラ、もちろん許しません。
ただ働いているだけなのに、なぜこんな目にあわなければならないのか。治外法権、世間のルールなど通用しない異色の喫茶で繰り広げられる闘いの数々!
喫茶×フェミニズム――店員たちの小さな抵抗の日々を描く、溜飲下がりまくりのお仕事エッセイ!
第7位 自由研究には向かない殺人
彼は殺人犯ではないと証明する。それが、わたしの自由研究。
高校生のピップは自由研究で、5年前に自分の住む町で起きた17歳の少女の失踪事件を調べている。交際相手の少年が彼女を殺害し、自殺したとされていた。その少年と親しかったピップは、彼が犯人だとは信じられず、無実を証明するために、自由研究を口実に警察や新聞記者、関係者たちにインタビューをはじめる。ところが、身近な人物が次々と容疑者として浮かんできてしまい……。
予想外の事実にもひるまず、事件の謎を追うピップがたどりついた驚愕の真相とは。
第8位 100万回死んだねこ ― 覚え違いタイトル集
本の正確なタイトルは、なかなか覚えづらいもの。そしてうっかり間違って覚えたタイトルを文字通りに想像してみたら、とんでもなくシュールでおもしろすぎる事態になっていることもしばしば。
そんな図書館利用者さんの「覚え違いタイトル」の実例を集め、HPで公開しているのが、福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」。
本書は、そのなかから秀逸な「覚え違いタイトル」を厳選し、「覚え違い」を文字通りに表したイラストを添付。そしてページをめくれば「正しい書誌情報」と「司書さんによるレファレンス」が現れて……という仕掛けになっています。
第9位 死にたがりの君に贈る物語
全国に熱狂的なファンを持つ、謎に包まれた小説家・ミマサカリオリの訃報が、人気シリーズの完結目前に告げられた。
奇しくも作品は批判に晒され、さらに作家に心酔していた高校生・純恋が後追い自殺を図る。未遂に終わったが「完結編が読めないなら生きる意味がない」と語る純恋。
やがて山中の廃校に純恋を含むミマサカファン、七人の男女が集まった。小説をなぞる生活をし、その結末を探ろうとしたのだが、ある事件が起きて。
第10位 ここはとても速い川
選考委員の絶賛を呼び、史上初の満場一致で選ばれた、第43回野間文芸新人賞受賞作。
児童養護施設に住む、小学五年生の集。一緒に暮らす年下の親友ひじりと、近所を流れる淀川へ亀を見に行くのが楽しみだ。
繊細な言葉で子どもたちの目に映る景色をそのままに描く表題作と、詩人である著者の小説第一作「膨張」を収録。
第11位 リボルバー
誰が引き金を引いたのか?「ゴッホの死」。
アート史上最大の謎に迫る、著者渾身の傑作ミステリ。
生前顧みられることのなかった孤高の画家たちの、真実の物語。
第12位 海が走るエンドロール
65歳を過ぎ夫と死別し、数十年ぶりに映画館を訪れたうみ子。
そこには、人生を変える衝撃的な出来事が待っていた。海(カイ)という映像専攻の美大生に出会い、うみ子は気づく。自分は「映画が撮りたい側」の人間なのだと……。
心を騒ぎ立てる波に誘われ、65歳、映画の海へとダイブする!!
第13位 みじかい髪も長い髪も炎
第14位 1万人の脳を見た名医が教えるすごい左利き ― 「選ばれた才能」を120%活かす方法
「左利き」は天才? それとも…変人? 何が得意で、何が苦手?
1万人の脳をみた名医が、最新脳科学ではじめて明かす10人に1人の「選ばれた才能」のすべて!
第15位 まとまらない言葉を生きる
偉い人が「責任」逃れをするために、「敵」を作り上げて憂さを晴らすために、誰かを「黙らせる」ために言葉が使われるようになったこの世界で、凝り固まった価値観を解きほぐし、肺の奥まで呼吸しやすくしてくれるような……そんな「言葉」との出会いは、まだ可能だろうか?
本書は、マイノリティの自己表現をテーマに研究を続ける文学者が、いま生きづらさを感じているあなたに、そして自らに向けて綴った、18のエッセイ
第16位 7.5グラムの奇跡
国家試験に合格し、視能訓練士の資格を手にしたにもかかわらず、野宮恭一の就職先は決まらなかった。後がない状態で面接を受けたのは、北見眼科医院という街の小さな眼科医院。
人の良い院長に拾われた恭一は、凄腕の視能訓練士・広瀬真織、マッチョな男性看護師・剛田剣、カメラが趣味の女性看護師・丘本真衣らと、視機能を守るために働きはじめる。
第17位 琥珀の夏
かつてカルトと批判された〈ミライの学校〉の敷地から発見された子どもの白骨死体。弁護士の法子は、遺体が自分の知る少女のものではないかと胸騒ぎをおぼえる。
小学生の頃に参加した〈ミライの学校〉の夏合宿。そこには自主性を育てるために親と離れて共同生活を送る子どもたちがいて、学校ではうまくやれない法子も、合宿では「ずっと友達」と言ってくれる少女に出会えたのだった。もし、あの子が死んでいたのだとしたら……。
30年前の記憶の扉が開き、幼い日の友情と罪があふれだす。
第18位 サメ映画大全
人類史上ほぼ初、心に噛み跡を残すサメ映画ガイド! 読んだら最後、ヤツらからは逃れられない──。
人気映画系VTuber浅井ラムとしても活躍するサメ映画ライター知的風ハットが、あらすじや見所を徹底解説。日本未公開作含む100本以上を紹介!
第19位 花束は毒
罠、また罠。100%騙される、戦慄ミステリー!
「結婚をやめろ」との手紙に怯える元医学生の真壁。彼には、脅迫者を追及できない理由があった。
そんな真壁を助けたい木瀬は、探偵に調査を依頼する。探偵・北見理花と木瀬の出会いは中学時代。彼女は探偵見習いを自称して生徒たちの依頼を請け負う少女だった。
第20位 たまごのはなし
注目の絵本作家、しおたにまみこ初の絵童話!ある日とつぜん目をさましたたまご。
はじめて歩き、はじめて話す。マシュマロを起こして、キッチンの台を降り、探検にも出かけます。
読めばよむほどに引きこまれる不思議なお話を、3話収録。
キノベス!
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