たくさん見たいから参考になる賞を教えてほしいんだけど
このようなお悩みを解消します。
「2022年ノンフィクション本大賞」とは、Yahoo!ニュースと本屋大賞が連携して2018年に創設し、多くの読者が良質なノンフィクション作品に触れ、世界で起きている事象についての考えを深めてもらうことが目的の賞です。
今回は2022年度に受賞した書籍を紹介します。
大賞
目の見えない白鳥さんとアートを見にいく
全盲の白鳥建二さんは、年に何十回も美術館に通う。
「白鳥さんと作品を見るとほんとに楽しいよ!」という友人マイティの一言で、アートを巡る旅が始まった。
絵画や仏像、現代美術を前にして会話をしていると、新しい世界の扉がどんどん開き、それまで見えていなかったことが見えてきた。アートの意味、生きること、障害を持つこと、一緒に笑うこと。白鳥さんとアートを旅して、見えてきたことの物語。
ノミネート作品
朝日新聞政治部
「吉田調書事件」の当事者となった元エース記者が目にした、崩壊する大新聞の中枢
登場人物すべて実名の内部告発ノンフィクション。
著者は「吉田調書報道」の担当デスクとして、スクープの栄誉から「捏造の当事者」にまっさかさまに転落する。吉田調書報道は、けっして捏造などではなかった。
しかし会社は「記事取り消し」を決め、捏造だとするバッシングをむしろ追認してしまう。
そして、待っていたのは「現場の記者の処分」。筆者曰くこのとき「朝日新聞は死んだ」。
嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか
中日ドラゴンズで監督を務めた8年間、ペナントレースですべてAクラスに入り、日本シリーズには5度進出、2007年には日本一にも輝いた。
それでもなぜ、落合博満はフロントや野球ファン、マスコミから厳しい目線を浴び続けたのか。秘密主義的な取材ルールを設け、マスコミには黙して語らず、そして日本シリーズで完全試合達成目前の投手を替える非情な采配……。12人の男たちの証言から、異端の名将の実像に迫る。
「週刊文春」連載時より大反響の傑作ノンフィクション。
さよなら、野口健
「アルピニスト」野口健は怪物か、それとも善意の活動家か。知られざる実像に迫るノンフィクション。
10年にわたり野口のマネージャーを勤め、辞めた後は精神科病院に入院までした著者。野口の半生で語られてこなかった橋本龍太郎、石原慎太郎、小池百合子ら政治家との関係を描き、エベレスト清掃活動の意外な動機を解き明かす。
ソ連兵へ差し出された娘たち
1945年夏――。日本の敗戦は満州開拓団にとって、地獄の日々の始まりだった。暴徒化した現地民による襲撃は日ごとに激しさを増していく。
団幹部らは駅に進駐していたソ連軍司令部に助けを求めたが、今度は下っ端のソ連兵が入れ替わるようにやってきては“女漁り”や略奪を繰り返すようになる。頭を悩ました団長たちが取った手段とは……。
妻はサバイバー
妻に異変が起きたのは、結婚4年目、彼女が29歳の時だった。
摂食障害、アルコール依存症……。
介護と仕事、その両立に悩み続けた20年近くにわたる自らの体験を、貧困ジャーナリズム賞受賞歴もある朝日新聞記者が克明に綴る。
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